こんにちは。なみだれです。
これから艦船模型を始める方のために
- 艦船模型の種類
- 最低限必要な準備
- 実際に艦NEXTを素組
の3つのパートに分けて、最初の1隻を完成するまでをお伝えしたいと思います。
皆様は艦船模型というと超絶技巧を凝らした作品を思い浮かべると思います。
私も10年ほど前に艦船模型を作り始めたときは、超絶技巧を駆使して作っていきたいと思っていました。そこで本やブログをいろいろ調べて、道具やツールをいろいろ買ってみました。
しかし、1隻完成させてみて細密に作るだけというのは、なにか楽しくないなと感じました。それで2隻目以降は、面倒な割に見栄えの効果が小さい細工は省いて、ストレスなく楽しんで作るようにしました。なので最初に買ってそれっきりのものもいくつかあります。
この記事では、これから艦船模型を始める人が、少なくともこれだけはあったほうが良い、あるいは安くて便利な道具を紹介します。
ようこそ、艦船模型の世界へ
まずは、艦船模型の楽しみ方、どんなメーカーから出ているの?、最初の1隻の選び方について紹介していきます。
楽しみ方は人それぞれ
艦船模型の楽しみ方は、2つの方向性があります。
1つは、コレクションタイプ。
もう1つは、一作入魂タイプ。
コレクションタイプは、ディテールは程々にとどめて、たくさん作っていくタイプです。真珠湾攻撃時の南雲機動部隊とかレイテ沖海戦の栗田艦隊とかで艦隊を編成したり、ジオラマを制作して楽しみます。
一作入魂タイプは、1隻のモデルに全身全霊をかけて、調査にも手を抜かず制作していく楽しみ方です。
いろいろなブログを拝見させていただいた感じでは、多くの方はこの間でバランスをとっておられる感じです。私も同じです。
ただ、模型初心者の方が、最初から一作入魂しようとしても製作技術が追いつかないかもしれません。ある程度までは、多くの作品を完成させていくのが、製作技術の上達には一番早いです。
艦船模型の種類
艦船模型には、いくつか分類があります。メーカー別、スケール別です。また、洋上モデルとフルハルモデルがあります。一つずつ説明していきます。
艦船模型を出しているメーカー
大きく分けて下の3つがあります。
- ウォーターラインシリーズ(タミヤ、アオシマ、ハセガワ)
- フジミ
- ピットロード
最初の1隻目、おすすめの艦船模型メーカー
メーカー | ウォーターラインシリーズ | フジミ 艦NEXTシリーズ | フジミ 特easyシリーズ | フジミ 特シリーズ | ピットロード | ヤマシタホビー |
最初の1隻におすすめ | おすすめ | 1押し | 塗装だけが苦手な人向け | 最初はやめときましょう | 最初はやめときましょう | 最初はやめときましょう |
品揃え | 多い | 有名艦のみ | 少ない | 有名艦は揃っている | マイナーな艦もある | 少ない |
作りやすさ | 普通 | おすすめ | 難しい | 難しい | 難しい | 難しい |
部品点数 | 少なめ | 多い | 多い | 多い | 多い | 多い |
接着剤 | 必要 | 不要 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 |
塗装 | 必要 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 | 必要 |
詳細な説明 | WLの紹介 | フジミの紹介 | フジミの紹介 | フジミの紹介 | 作成中 | 作成中 |
メーカーリンク | タミヤ ハセガワ アオシマ | フジミ模型 | フジミ模型 | フジミ模型 | ピットロード | ヤマシタホビー |
ウォーターラインシリーズは1971年に始まった1/700スケールの艦船模型のシリーズです。当初はフジミも加えた4社で分担して日本海軍艦船をキット化していました。1992年にフジミが脱退してからは、3社で構成されています。最近はアオシマが精密なリニューアルキットを出しています。3つの中で最もシンプルで作りやすいです。
フジミは、精密な特シリーズ、特シリーズのパーツを塗装不要にした特EASYシリーズ、ガンプラと同じ接着剤のいらないスナップフィットを採用した艦NEXTシリーズの3つシリーズを出しています。艦船模型界では、一番新製品も多く私も数多くお世話になっています。
ピットロードは、ウォーターラインシリーズとフジミの中間くらいの精密さと作りやすさです。一番の特色はニッチな船や現行の護衛艦や海上保安庁の巡視船があることです。製品値段は一番高いです。私自身は、作成したことがないのでレビュー情報から書いています。
艦船模型のスケール
基本としては、1/350と1/700の2種類があります。
各スケールでの全長
| 1/350 | 1/700 | 1/2000 |
大和(戦艦) | 約75cm | 約38cm | 約13cm |
雪風(駆逐艦) | 約34cm | 約17cm | 約7cm |
ラインナップが一番多いのは1/700です。また大きさも一番大きい大和でも38cmなので普通に机上で制作できます。1/350になると75cmとなり作るスペースも問題ですし、完成した後、飾る場所も考える必要があります。
その他には、食玩の1/2000スケールモデル(下の洋上、フルハルの写真)やフジミの集める軍艦シリーズ1/3000があります。1/2000はエフトイズのものを一時期集めていて、小さいのに塗装済みでなかなかできが良いです。
洋上モデルとフルハルモデル
最後に洋上モデルとフルハルモデルです。これは下の写真を見ていただくのが早いです。上の武蔵がフルハルモデルで下の扶桑が洋上モデルです。
.フルハルモデルは艦底まで作るので完成時の見栄えが良いです。一方、洋上モデルは、下の写真のように海面より上だけなので海面を模擬したものの上に置けば、簡単に停泊時の状態が再現できます。
上の写真の海面は、「なみいたくん」です。これは、凹凸のある透明なプラ板と青色の紙のセットです。これがあると撮影のときに水面のように見えるのでおすすめです。
最初に作る1隻目を選ぼう
ここまでで艦船模型の種類について一通り説明してきました。艦船模型を始めるに当たって最初の1隻目を選んでいきましょう。このブログでは、第2次世界大戦の日本帝国海軍の艦を中心に書いていきます。
スケールは値段、場所、ラインナップの豊富さから1/700にしましょう。
基本は好きな艦を選ぶのが一番良いです。こだわりがないのであれば、駆逐艦か軽巡洋艦の中からフィーリングで決めてしまいましょう。
ただ、無事完成できるか心配な方もいると思います。ですので下に艦種別におすすめと特徴を書きました。艦NEXTは塗装なしで塗り分けできるようになっています。またおまけパーツ以外は、ガンプラと同じスナップフィットなので接着剤すら不要です。
タイトル | 空母 | 戦艦 | 重巡洋艦 | 軽巡洋艦 | 駆逐艦 | 潜水艦 | その他 |
有名艦 | 赤城、加賀、信濃 | 大和 | 摩耶 | 神通 | 雪風 | 伊401 | 間宮、明石 |
大きさ | 約38cm | 約38cm | 約28cm | 約24cm | 約17cm | 約17cm | 約24cm |
作りやすさ | 難しい | 難しい | 難しい | 普通 | 簡単 | 簡単 | 普通 |
より詳細な説明 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
・戦艦
FUJIMIの艦NEXTが一押しです。日本戦艦の中では大和型は比較的作りやすいです。大和型以外の戦艦は、近代化改装で艦橋、煙突周辺が非常に複雑です。ただし、大和は大きいので作った後、飾る場所を考えておきましょう。
・重巡洋艦
難易度が高いものが多いです。かっこよく仕上げたいのであれば、2隻目以降が無難かもしれません。ウォーターラインシリーズから選びましょう。最初はFUJIMIの特シリーズは避けるが吉でしょう。重巡洋艦の中では、難易度は大きくは変わりません。
・軽巡洋艦
・艦NEXTかウォーターラインシリーズから選びましょう。私の1隻目は、ウォーターラインシリーズの阿賀野でした。
艦NEXTかウォーターラインシリーズから選びましょう。見た目と同様に艦の種類によって難易度も差は無いと思います。
なみだれのイチオシは、フジミの艦NEXTの陽炎型駆逐艦 不知火/秋雲(開戦時)2隻セットです。駆逐艦で部品点数も少なく、艦NEXTなので基本は塗装も不要で作りやすいからです。
どうしても戦艦を作りたいんだと言うことであれば、同じくフジミの艦NEXTから戦艦武蔵の改装前が良いと思います。改装前なので大量の機銃ではなく3連装副砲なのでだいぶ作りやすいです。
この記事では、最後に艦NEXTの多摩を実際に作っていきます。
準備編
最初の1隻目を決めたところで次は、必要な道具や作業場所を整えていきましょう。
最低限必要な工具
ニッパー、ヤスリ、可能であればピンセットを用意しましょう。
ニッパーは、パーツを切り出すときに使うものです。百均の安いものでも作れなくはないですが、切り口が違います。模型専用のものを用意してください。
ヤスリはパーツを切り出した後、切り口を整えるのに使います。艦船模型はパーツがとても小さいので写真のような棒状のものが使いやすいです。
ピンセットはなしで作っている記事もありますが、あったほうがイライラせずにすみます。小さいパーツを掴んで狭いところにセットしたり、小さいシールやデカールを貼るときに使います。
ニッパーについては以下の記事にまとめました。よければご覧ください。
作業場所の確保
次は作業する場所を整えましょう。A4サイズを一回り大きくしたスペースが有れば、1/700の艦は制作できます。製作中には、
- ヤスリがけによるプラの粉が出る。
- 小さいパーツが、切り出すとき、ピンセットでつまむとき、小さいパーツがしょっちゅう飛んでいく。
のようなことがおこります。ですので作業する机の上には、何かを敷いておくと作業後にプラの粉を掃除するのが楽になります。
これだけでしたら新聞紙を敷いて作業すればよいかと思います。
しかし、艦船模型ではパーツが小さいため、ランナーから切り離すとき、ピンセットでつまんだとき、パーツを飛ばしてしまうということがしょっちゅう起こります。
パーツを飛ばして見失うと新聞紙だとパーツと同じグレー系の色のため保護色みたいに見つけるのに苦労します。ひどいときには、組んでいる時間よりも飛ばしたパーツを探す時間のほうが長いこともあります。
ですのでパーツが区別しやすい色のものを敷いたほうが、効率がいいです。また後々カッターとかを使うときにも役立つのでカッティングマットをおすすめします。私は下の模型用のものを使っていますが、100均のものでも問題ないと思います。
作成途中の保管方法
艦船模型は一日で完成できないものばかりです。ですのでその間に保管する方法を用意しておいたほうが安心です。
私は、ランナーや説明書類はキットの箱に入れていますが、組んだパーツは、100均で買ったトレーの上にまとめています。このトレーごと棚の一角に保管しておき、週末作成するときに取り出して、作業しています。
あとあると便利なのが、小物入れです。艦船模型は、主砲、艦橋、煙突、マスト等まとまりの良い部分に分けて、制作することが多いです。一旦、組み立てた主砲や艦橋の部分を保管するものとして小物入れがあると破損や紛失を防いでくれます。
私は、下の写真のように、名刺ケース、お菓子の缶、100均の小物入れをいくつも使っています。
塗装道具
艦NEXTの場合は不要ですが、ウォーターラインシリーズを作成するときは、最低限でも船体の軍艦色と茶色っぽいリノリウム(ウッドブラウン)の塗り分けをするのが、見栄えが良くなります。以降、艦NEXTを作る方は読み飛ばしてください。
さて塗装をする場合、ペン塗り、筆塗り、スプレー缶、エアブラシの4つの選択肢があります。
・ペン塗りは、艦船模型のブログでは見たことはないですが、ガンプラではガンダムマーカーの使用は、非常に多くあります。艦船模型では、ガンダムマーカー以外にもPOSCAやマッキー、ぺんてる等のカラーマーカーも選択肢に入ります。準備はほぼないので楽、ペン先を細くすれば思った通りに塗ることができます。一方短所は、自分で調色できないことや広い面積を塗るのは手間がかかります。
詳しくは、艦船模型でもペン(マーカー)塗りのすすめにまとめました。
・筆塗りは塗装の基本です。広い面積をムラなく塗るのは難しいです。しかし、制作の仕上げ時に塗装が剥げたり、接着剤がはみ出たところを修正したりとスプレーやエアブラシで塗装しても決してなくならない必要な工程です。
・スプレー缶は、塗装ブースを用意するか、屋外に新聞紙を敷いてあげれば、すぐに塗装できるのが最大のメリットです。デメリットは、自分で色を調整できない、スプレー缶のコストが、長期的に見るとエアブラシの塗料に比較すると高い、などがあります。
・エアブラシは初期投資も1万近くかかるものもありさらに塗料のダストが飛散するので塗装ブースの準備もいります。塗料をコンプレッサーで加圧した空気でミストにして、塗装します。狭いところも広い面積をムラなくきれいに塗ることができます。その代わり、使用前後の準備、後片付けに時間がかかります。
まとめると以下の表のようになります。
筆塗り、スプレー缶、エアブラシの比較
| ペン塗り | 筆塗り | スプレー缶 | エアブラシ |
準備、片付けの時間 | ◎ | ○ | ◎ | ✕ |
塗料コスト | △ | ◎ | ✕ | ◎ |
色の自由度 | ✕ | ◎ | ✕ | ◎ |
仕上がり、塗装のムラ | △ | △ | ◎ | ◎ |
私は、週末モデラーで時間を節約したかったのでベースとなる色(船体の軍艦色とリノリウム、艦載機のグリーン)だけスプレー缶でまとめて塗装して、残りを筆塗りで行っています。
私の最初のおすすめは、筆塗りです。筆と塗料と薄め液があれば、最低限の塗装作業はできます。軽巡、駆逐艦、潜水艦ならば小さいのでなんとかなるでしょう。
途中で筆塗りでだめだと感じたときは、スプレー缶やエアブラシを改めて調達すれば、出費も最低限に抑えられます。最初に書いたとおりスプレー缶やエアブラシを使っても筆塗りは使いますので無駄にもなりません。
筆塗りの準備に抵抗がある方は、ペン塗りもおすすめです。艦船模型でもペン(マーカー)塗りのすすめにもまとめましたが、ほぼすべての色をPOSCAとガンダムマーカーで代用できます。匂いを気にせず作りたい方は、駆逐艦程度だったら頑張れば筆塗りのみで塗装できると思います。(いつか私もチャレンジします。)
艦NEXT多摩の製作記
ここまでで準備が一通りできましたので、実際に制作した記事を載せます。長くなりますので下記リンク先をお読みください。
多摩(フジミ、艦NEXT)の製作記①(キットレビューとボーナスパーツの取り付け)
多摩(フジミ、艦NEXT)の製作記③(艤装品の取り付けと煙突の作成)
多摩(フジミ、艦NEXT)の製作記④(主砲、艦橋、マストの組み立て)
多摩(フジミ、艦NEXT)の製作記⑤完成(艦橋、マスト、ダビット、機銃の取り付け)
完成品の保管方法
艦船模型が完成したら保管方法を考えていきましょう。そのまま部屋に飾っておくとホコリだらけになってしまいます。そこでケースに入れて置くべきです。
安くて比較的入手しやすく、いろいろな大きさの艦を収納できるのが「ダイソーのコレクションボックスワイドL型(400円税抜)」です。すべてのダイソー店舗には置いていないようですが、大型店舗にて販売しています。
大きさは327mm(幅)✕約100mm(奥行き)✕113mm(高さ)です。下の写真は、私が初めて作成した軽巡阿賀野です。
戦艦長門がちょうどぎりぎり入る長さです。
戦艦大和は残念ながら収まりません。正規空母で小さい飛龍が324mmなので他の正規空母も残念ながらこのダイソーのコレクションボックスには入りません。
このダイソーのケースには、重巡クラス以下ならば3隻ぎりぎり入ります。
写真は手前から、摩耶、利根、鈴谷です。
上から見るとこのようにぴったり収まります。
次に戦艦大和を飾るケースとしておすすめなのが、ナカバヤシのコレクションケースです。ダイソーのケースの10倍近くの値段になりますが、値段だけの価値はあります。
まず、通常は3段ですが、さらに棚板を追加すれば、高さのない艦ならば、4段に追加できます。下の写真のように大和も2段めにぴったりと収まっています。
より詳しいレビューはこちらです。👇
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
この記事で楽しい模型ライフを始めましょう。
それでは、また。