こんにちは。なみだれです。
今回は、艦船模型でもペン(マーカー)を塗装に使えることを紹介します。
水性アクリル塗料と各種マーカーを白のプラ板に塗ってみて色比較をしてみました。その結果、艦船模型でよく使う色は、ペン塗りでそこそこ代用できる事がわかりました。
ペン塗りの良いところ
- 手軽に準備、後片付け不要で使用できる。
- 細いペン先であれば、細かい模様も自由自在に書ける。
- 有機溶剤臭がそれほどしないので体にも環境にも優しい。
- 製作最後の仕上げで、塗装ハゲやはみ出たところの修正を気軽にできる。
ペン塗りのイマイチなところ
- 調色できないので市販されている一般的な色しか使えない。
- 広い面を塗るのは、時間と手間を要する。
- 細かい凹凸がある部分は、ペン先が入らないため塗り残しができやすい。
ペン塗りに使えるペン
多色で描けるマーカーをいくつか調べてみました。
ガンダムマーカー
模型に使う塗料ペンで最も有名なのは、ガンダムマーカーです。
ガンプラを作ったことがある方であれば、一度は使ったことがあるという人も多いと思います。ガンプラを対象としているため艦船模型に使える色には限りがありますが、白、黒、赤、黄、金、銀は使えると思います。軍艦色(2)については、かなり近い色なので使えそうです。

またスミ入れ用にペン先が細くなっているものもあります。

軍艦色(2)とガンダムマーカーのグレーを比較してみました。白のプラ板に一筆ずつ色を塗りました。

色の濃い順番で水性アクリル塗料の軍艦色(2)≒SEEDグレー>グレー>グレー(スミ入れ)でした。下の写真のような甲板上の小物の塗り分けには十分使えそうです。

POSCA
三菱鉛筆が出しているポスターカラーマーカーです。水性ですが、プラスチックにも使えます。艦船模型に使える色は、黒、赤、黃、白、金、銀、茶、はいいろ、ブラウン、カーキグリーン、ダークブラウンです。ダークブラウンはウッドブラウン(リノリウム)を少し赤くした感じです。ブラウンは、ライトブラウン(タン)を少し赤くした感じです。カーキグリーンは、濃緑色(艦載機裏側)とほぼ同じ色です。はいいろは明灰白色(1)(艦載機裏側)とほぼ同じ色です。
POSCAの中字(上)と極細(下)のペン先は、下の写真のとおりです。

ウッドブラウン(リノリウム)と明灰白色(1)(艦載機裏側)について、色見本を比較します。
ウッドブラウン(リノリウム)については、POSCAのダークブラウン(丸芯/中字のみ)は少し赤っぽいですが、ちょっとしたはみ出しや塗装剥げの修正には使えると思います。

水性アクリル塗料のライトブラウン(タン)とPOSCAのブラウン(丸芯/中字のみ)の色比較をします。

水性アクリル塗料の濃緑色とPOSCAのカーキグリーン(丸芯/中字のみ)の色比較をします。どちらも黒っぽく見えますが、ちゃんと緑です。

以前に作成した艦載機の色がはみ出ている部分にPOSCAを塗ってみました。

POSCAで右上の機体は黄色のはみ出しを上塗りしました。左下の機体は右側の日の丸の脇を修正しました。このようにビフォーアフターがあるとどこを上塗りしたのかはっきりしますが、少し離して見ると区別つきません。

明灰白色(1)(艦載機裏側)とPOSCAのはいいろは、かなり近い色です。実際の塗装した艦載機にPOSCAを塗ってみました。

水平尾翼の部分だけPOSCAを塗りましたが、差がわからないレベルです。そこで主翼のはみ出た黄色の部分をPOSCAで修正してみました。

さすがにこれは、上と比較すると塗ったところがわかってしまいます。ただ、この程度であれば、下側でもあるので十分に使用できると思います。

現在は廃盤になってしまいましたが、Do Poscaというペン先がより細いものもあります。私は赤だけ持っています。

マッキー
ZEBRAから出ている油性マーカーです。色の種類がそこそこありかつ1本のペン先が両側で細と極細があるので使い勝手が良いです。より太いものもありますが、艦船模型で使う機会は少ないので説明は割愛します。12色あり、艦船模型に使えそうな色は、黒、黃、赤です。文房具屋で色を試し書きして確認しましたが、茶は、ココアブラウン(艦底色)に近いです。


ぺんてる
Pentelから出ている油性ペンです。ホワイトの超極細ペンです。
ホワイトの色のペンを出しているところは少なく、かつこのようにペン先が細いのはこれしかないです。

模型用の塗料とペンの色比較
白いプラ板に水性アクリル塗料、POSCA、ガンダムマーカーを塗って、色比較できるようにしました。市販品すべてを網羅していませんが、参考にしていただければと思います。

水性アクリル塗料は以下の通りです。

POSCAは以下のとおりです。

ガンダムマーカーは以下のとおりです。

ホワイトの塗料は、黒のプラ板に塗って比較しました。

艦船模型に必要な塗装の基礎知識でも書いた艦船模型に使用する色についてペン塗りできるものについて表にまとめました。
黒と白と黃は、差がないようにみえましたのですべてOKとしました。赤については、色に差はありますが、塗装部分が線だったり艦載機の日の丸のように小さい部分が多いのでこれもこだわりがなければ、ペンで十分かと思います。金と銀もペンの金と銀の比較をしていませんが、菊花紋章と探照灯にしか使わないので差を気にする必要はないかと思います。もしメッキのように光沢をもたせたいのであれば、ガンダムマーカーEXというのが、品薄になるほど評判がいいようです。
| 適応◎ | 適応可能○~△ | |
| 軍艦色(2) | ガンダムマーカーSEEDグレー | ガンダムマーカー グレー ガンダムマーカーグレー(スミ入れ) |
| ライトブラウン(タン)(木甲板) | POSCA ダークブラウン(中字) | なし |
| ウッドブラウン(リノリウム) | POSCA 茶 | なし |
| ココアブラウン(艦底色) | なし | マッキー 茶 |
| つや消しブラック | 全て | |
| 白 | 全て | |
| 濃緑色(暗緑色)(1)(艦載機) | POSCA カーキグリーン(中字) | なし |
| 明灰白色(1)(艦載機裏側) | POSCA はいいろ | なし |
| 赤 | 全て | |
| イエロー(黃) | 全て | |
| 金 | 全て | |
| 焼鉄色 | なし | なし |
| 銀 | 全て |
ペンで適応色がないのは、焼鉄色だけです。思った以上にペンだけで塗装できることがわかりました。
筆塗りやエアブラシの塗装は、匂いや器具の準備、片付けの手間があり、模型製作のネックになっていた方も多いかと思います。ペン(マーカー)をなるべく使うことで手軽に塗装をきれいに仕上げていきましょう。
では。今回はここまで。