こんにちは。なみだれです。
今回は、軽巡洋艦について書いていきます。1/700の模型を出しているメーカーも調べてみました。
軽巡洋艦とは
太平洋戦争時の軽巡洋艦の定義が固まったのは、ワシントン、ロンドン軍縮条約によってです。まずワシントン軍縮条約で主砲の口径8インチ(20.3cm)以下、基準排水量1万トン以下は、戦艦、巡洋戦艦ではなく条約外の巡洋艦とされました。そこで各国は準主力艦として巡洋艦の建艦競争を始めたため、ロンドン軍縮条約では、巡洋艦にも規制が入りました。巡洋艦の主砲の口径が6.1インチ(15.5cm)で分けて、6.1インチ以上をカテゴリーAすなわち重巡洋艦、6.1インチ以下をカテゴリーBすなわち軽巡洋艦と分類することになりました。
太平洋戦争後は、ミサイルが主兵装となったため軽巡洋艦という分類も自然消滅しました。
より詳細は軽巡洋艦のWIKIを御覧ください。
日本帝国海軍の軽巡洋艦
日本帝国海軍の軽巡洋艦は、他国と違い水雷戦隊の旗艦として艦隊決戦で魚雷戦を指揮することに特化しています。例外は、一番最後に建造された大淀型です。艦名は、全て川の名前です。また、最上型や利根型は公式には軽巡洋艦に区分されていますが、太平洋戦争開戦時には20.3cm砲に換装しているためここでは重巡洋艦として紹介します。
天龍型
日本帝国海軍で初めての軽巡洋艦。駆逐艦を大きくした形を取っています。1919年に竣工。基準排水量が3200トンと小さく余裕がなかったため、大きな改装をせずに運用され続けました。
同型艦 天龍、龍田
球磨型
天龍型は3500トンと他国の軽巡に比べて小さく、速度も遅いと考えられたため大型化したのがこの球磨型です。このあと合計14隻も建造される5500トン型の第1グループにあたります。最初から航空機搭載を考慮した日本海軍艦艇になります。1920~1921年に竣工しました。太平洋戦争前の1941年に大井と北上は61㎝酸素魚雷四連装発射管10基40門を搭載した重雷装艦に改装されましたが、実戦に出ることはありませんでした。
同型艦 球磨、多摩、北上、大井、木曽

長良型
5500トン型の第2グループにあたります。1924~1925年に竣工しました。球磨型からの変更点は以下のとおりです。
- 搭載魚雷を53cmから61cmに強化。
- 羅針艦橋下に航空機格納庫を設置してその前方に滑走台を設置。
- そのために艦橋構造が変更され、司令塔は廃止。
艦橋下の航空機格納庫は使いづらかったようで後の近代化改装で撤去され後部にカタパルト(航空機の射出機)を設置しています。
同型艦 長良・五十鈴・名取・由良・鬼怒・阿武隈
川内型
5500トン型の第3グループにあたります。1922~1925年に竣工しました。
外観での大きな違いは、煙突が4本に増えていることです。
太平洋戦争中に阿賀野型が、完成するまで最新の軽巡であったため優先的に近代化改装も行われ、太平洋戦争前半では、水雷戦隊の旗艦を務めていました。
同型艦 川内、神通、那珂
夕張型
1923年に竣工しました。不況による予算削減の中で小さい船体で戦闘力を詰め込んだ設計になりました。このコンパクト化によって重巡洋艦の武装強化の設計思想の礎にはなりました。しかし、夕張自体は小さすぎて航空機搭載が不可能で後に大きな欠点となりました。
同型艦 夕張
阿賀野型
5500トン型が古くなりつつある1939年に計画され、1942~1944年に竣工しました。水雷戦隊の旗艦として期待された新鋭の軽巡洋艦ですが、竣工したのがミッドウェイ海戦後で航空機が主戦力となっていたため本来の活躍はできませんでした。
同型艦 阿賀野、能代、矢矧、酒匂
大淀型
阿賀野型と同時期に計画され、1943年に竣工しました。今までの軽巡洋艦とは違い、潜水艦部隊の旗艦として、偵察のために航空機搭載能力を重視した航空巡洋艦のような艦になっています。全部に15.5cm3連装砲2基、後部には航空機の格納庫と水上機を射出する大型のカタパルトを装備しました。
この大淀も完成したのは、マリアナ海戦の前年で想定された活用はできずに1944年には後部格納庫を改造して、連合艦隊旗艦になります。マリアナ海戦後に連合艦隊司令部は陸上に移るので最後の連合艦隊旗艦となりました。
仁淀は開戦前に起工取りやめとなったので同型艦は無しです。
同型艦 大淀
軽巡洋艦の1/700キット一覧
ネットでキットの一覧をまとめました。現在では、入手困難なもの、抜けもあるかもしれません。
| WL タミヤ | WL アオシマ | WL ハセガワ | フジミ | ピットロード | |
| 天龍型 | 天龍、龍田 | ||||
| 球磨型 | 球磨、多摩、木曽 | 大井、北上(重雷装艦)北上(回天の搭載母艦) | 球磨、多摩、北上(回天の搭載母艦) | 大井、北上(重雷装艦) | |
| 長良型 | 長良、五十鈴、鬼怒、名取、阿武隈 | 長良、五十鈴、鬼怒、名取、 | |||
| 川内型 | 川内、神通、那珂 | 神通、那珂 | |||
| 夕張 | 夕張 | 夕張 | |||
| 阿賀野型 | 阿賀野、矢矧 | 阿賀野、能代、矢矧、酒匂 | |||
| 大淀型 | 大淀 | 大淀 |
由良はキットが出ていないので鬼怒を改造して作成することが多いようです。
軽巡洋艦の特徴
| 排水量 [トン] | 全長 [m] | 主兵装 | 魚雷 | 最高速度 [ノット] | 航続距離 [カイリ] | |
| 天龍型 | 3500 | 143 | 14cm砲4門 | 53cm3連装2基6門 | 33 | 5000 |
| 球磨型 | 5500 | 162 | 14cm砲8門 | 53cm連装4基8門 | 36 | 5300 |
| 長良型 | 5500 | 162 | 14cm砲7門 | 61cm連装4基8門 | 36 | 5000 |
| 川内型 | 5500 | 162 | 14cm砲7門 | 61cm連装4基8門 | 35 | 5000 |
| 夕張型 | 3500 | 139 | 14cm砲 連装2基4門、同単装2基2門 | 61cm連装2基4門 | 35 | 3300 |
| 阿賀野型 | 6600 | 175 | 15.2cm連装砲 3基6門 | 61cm4連装2基8門 | 35 | 6000 |
| 大淀型 | 8100 | 192 | 15.5cm3連装砲2基m連装2基4門 | なし | 35 | 10000 |
ここまで軽巡洋艦について紹介してきました。個人的には、阿賀野型は格好良くてとても好きな艦です。
今回はここまで。