こんにちは。なみだれです。
今回は、塗装に関する基礎知識について
- 塗装の手段
- 塗料の種類
- 艦船模型に使用する色
- 塗装に使う道具
についてリストアップしてみました。
塗装の手段
塗装の手段は、以下の4つがあります。
- エアブラシ塗装
- 筆塗り
- スプレー缶塗装
- ペン塗り
それぞれ簡単に説明します。
エアブラシ塗装
コンプレッサーで空気を圧縮し、この圧縮空気で塗料を吹き付ける塗装方法です。費用と手間が最もかかるが、ムラなく平滑な塗装やグラデーションのような表現もできます。
コンプレッサーやエアブラシ、塗料ミストの飛散防止のための塗装ブースの準備が必要で使うときにも準備と後片付けの手間がかかります。
筆塗り
読んで字の通り、筆で塗装することです。他の塗装方法(エアブラシやスプレー缶塗装)を使っても、この筆塗りは絶対に必要な塗装方法です。
技量があれば、きれいに塗装することも可能です。
スプレー缶塗装
お金をかける代わりに手軽に時間をかけずにムラのない平滑な塗装ができます。欠点は、前述のようにお金がかかることと色のバリエーションが販売されているものに限られていることです。
ペン塗り
この4つ目の塗装方法は、私の考えた分類です。ガンダムマーカーやPOSCAのようなペンで塗ることです。広い面積を塗るのは、全く向いていませんが、ピンポイントで塗る時には、手軽でかつきれいに塗りやすいのでここに加えてみました。
塗料の種類
塗料の種類は、以下の3種類があります。
- ラッカー(油性)塗料
- 水性アクリル塗料
- エナメル塗料
ラッカー塗料→水性アクリル塗料→エナメル塗料の順番で重ね塗りすることができます。
ラッカー(油性)塗料
乾燥が早く、塗膜も強い塗料ですが、有機臭が強い塗料です。スプレー缶は基本この塗料です。
水性アクリル塗料
ラッカー塗料に比較すると乾燥も遅く、塗膜も弱いが、有機臭も弱く乾燥する前ならば筆も水洗いできる塗料です。
エナメル塗料
発色、ノビがよく、塗装ムラが最もでにくい塗料です。乾燥も遅いです。模型では、スミ入れ、ウェザリング(汚し塗装)に使われます。
艦船模型に使用する色
艦船模型(ここでは日本海軍のものに限る)に使用する色は、以下のものが挙げられる。
- 軍艦色(2)
- ライトブラウン(タン)(木甲板)
- ウッドブラウン(リノリウム)
- ココアブラウン(艦底色)
- つや消しブラック
- 白
- 濃緑色(暗緑色)(1)(艦載機)
- 明灰白色(1)(艦載機裏側)
- 赤
- イエロー(黃)
- 金
- 焼鉄色
- 銀
- 緑
軍艦色(2)
軍艦色(2)は日本海軍の艦艇の色です。詳しくは、横須賀、呉、佐世保、舞鶴など各海軍工廠ごとに微妙に異なっていたようですが、並べてみないとわからない程度の差なので私は区別していません。
ウッドブラウン(リノリウム)
WIKIによると以下のような床材です。
”リノリウムは天然素材から製造される建材であり、その名称の由来の「亜麻仁油」以外に、ジュートなどの植物繊維の他、ロジン・木粉・石灰石・コルク粉などから製造される。”
下の写真のように甲板や艦橋の床の一部に使われています。

ライトブラウン(タン)(木甲板)
木甲板の色です。戦艦の甲板や艦載艇、甲板上に置かれる応急修理用の木材を塗る時に使います。戦艦の甲板以外は、塗る面積としては小さいものばかりで筆塗りをしています。戦艦の甲板は面積が広いですが、私は木甲板シールをなるべく使うようにしています。
ココアブラウン(艦底色)
船体の下半分、水に沈んでいる部分は、この艦底色に塗ります。フルハルモデルで制作するときは、塗装する必要があるのですが、洋上モデルでは文字とおり船体の下半分はないので不要です。
つや消しブラック
下の写真のように煙突や後部マストの上部は、黒に塗られていました。

白
艦載艇の一部屋根、主砲の根本の防水キャンバスや救命浮き輪が白でした。



濃緑色(暗緑色)(1)(艦載機)
下の写真のように海軍の艦載機の上面の基本色がこの濃緑色でした。

明灰白色(1)(艦載機裏側)
艦載機の写真のように海軍の艦載機の下面はこの明灰白色でした。
赤
浮き輪や艦載機のフロートの線が、赤でした。

イエロー(黃)
艦載機の塗装の写真より、前方から見たときの敵味方識別のために、艦載機の主翼の前の縁を黄色に塗っていました。
金
軍艦(巡洋艦以上)の艦首についていた菊花紋章は金色でした。モデラーさんの中には、実物と同じく金箔を貼って表現される方もいます。
焼鉄色
機銃の銃身は、高熱になるため塗装されておらず金属のままでした。それを表現するのが、この焼鉄色です。

銀
探照灯の発光面をこの銀色で表現することもあります。最近のモデルでは、探照灯はクリアパーツのことが多くなってきており出番が少なくなっています。
下の写真に探照灯を銀に塗ったものとクリアパーツを並べてみました。私はクリアパーツの方が、よりリアルに感じます。

緑
艦尾信号灯と艦橋の右舷側の舷灯に緑が使われています。
艦尾信号灯は後続艦に舵の方向を伝える標識だそうです。下の写真は、駆逐艦の後部マストにつけるエッチングパーツを塗装してみたものです。

舷灯は船の左右を識別する灯火です。船の右側(右舷)に緑色の右舷灯、左側(左舷)に紅色の左舷灯を灯すのが国際ルールのようです。おそらく戦争時には、潜水艦から見つからないように灯していなかったように思いますが、詳細はよくわかりません。

私は、筆塗りできるように水性アクリル塗料を緑を除いて上記の色を一通り揃えています。
この内、軍艦色(2)とウッドブラウンと濃緑色の3色について、私はスプレー缶で塗装をするようにしています。
白と黒、赤と黄色、金と銀、緑はペン塗りが、便利だと思います。詳しくは、
を御覧ください。
その他にスミ入れ用にエナメル塗料(ダークブラウン)を使っています。

このスミ入れ用のエナメル塗料は、蓋にブラシが付いていて、混ぜるだけですぐに使えるすぐれものです。詳しくは別記事にまとめる予定です
塗装に使う道具
私が使っている(持っている)塗装に使う道具を挙げてみました。
- 塗料皿
- 筆
- マスキングゾル
- マスキングテープ
- 持ち手
- 薄め液(ラッカー用)
- 薄め液(水性アクリル用)
- 攪拌用メタルボール
- ブラシエイド
- スペアボトル
- ウォーターポンププライヤー
- ミクロスパーテル
- 使い捨てビニル手袋
- スポイト
ここでは私が、常用しているものを挙げました。
本当に最小限必要なものは、筆塗りであれば、
塗料、筆、薄め液、塗料皿があればできます。スプレー塗装でしたらマスキングしないのであれば、スプレー缶だけでも塗装はできます。
最小限のものだけそろえてから塗装作業をしてみて、必要に応じて増やしていくほうが、無駄なものを増やさなくてすみます。
塗料皿
塗料をこの皿に入れて、混ぜて調色したり、薄めて使います。塗装以外でも、小さいパーツを一時的に入れて置くのに使うと便利です。
筆
筆塗り用の筆です。各社から色々な筆が出ています。あまりにも安物だとすぐに毛がヘタってしまうので最初は、タミヤのものを買ってみるのが良いと思います。
マスキングゾル
マスキングテープ
前の章の探照灯の写真のようにパーツの一部のみをマスキングして塗装しない部分を作るためのものです。
マスキングゾルとマスキングテープがあります。テープにはいろいろな幅のものがあります。
持ち手
塗装の時の持ち手です。
薄め液(水性アクリル用)
塗料ビンの塗料が濃くなりすぎた時に薄める液です。水性アクリルとラッカーは全く異なる薄め液なので間違えて使わないように注意しましょう。
薄め液(ラッカー用)
筆塗りで水性アクリル塗料を使っている場合は、塗装用というよりも洗浄用に持っておくと便利です。ラッカー用の薄め液は、乾燥後の水性アクリル塗料も溶かしてしまいます。
攪拌用メタルボール
塗料ビンの中に2個ほど入れておくとビンを振るだけで中身を混ぜることができます。開けるたびにスパチュラで混ぜる必要がないので洗い物を減らせる便利グッズの一つです。
ブラシエイド
筆の洗浄液です。先程洗浄用にラッカー薄め液を使うと書きましたが、有機溶剤は筆を少しづつ傷めるようです。
このブラシエイドは、筆の洗浄とトリートメントを同時に行ってくれるものです、ブラシエイドの後に水洗いするとたしかに毛先がまとまってくれる効果を実感できます。
より詳しくは、以下の記事をご覧ください。

スペアボトル
本来は、調色した塗料や余った塗料を入れておくものです。私は、洗浄用のラッカー薄め液を入れておくのにも使っています。
ウォーターポンププライヤー
塗装に直接使うものではありませんが、塗料ビンの蓋が固くて開かない時に重宝しています。
ミクロスパーテル
科学実験の時、微量の粉体試料を量る時に使ったミクロスパーテルです。塗料ビンを混ぜたり、少しだけ塗料を皿に移したりする時に使います。あとは塗料瓶の蓋が塗料で固まったときはこれで少しずつ塗料をはがすのにも使います。

使い捨てビニル手袋
100均で売っている使い捨てのビニル手袋を塗装の時しておくと手が汚れなくて便利です。なるべく薄手のもののほうが、使いやすいです。
スポイト
これも100均で売っているスポイトで、塗料や薄め液を吸い取るのに使います。
便利のために道具を増やしていくと際限ないこともありますが、一方で良い道具を使うことで簡単に仕上がりが良くなるということもあります。人によってあるいは、技量によって適した道具というのは、違ってくると感じています。
皆様もいろいろ試してみて、自分に適した道具を見つけてもらえればと思います。
では。今回はここまで。










