こんにちは。なみだれです。
駆逐艦の簡単な歴史と第2次世界大戦で活躍した日本海軍の駆逐艦を紹介しています。合わせて1/700のキットを出しているメーカーも調べてみました。現在では、入手困難なもの、抜けもあるかもしれません。
駆逐艦の歴史
駆逐艦のwikiによると19世紀後半(日清戦争前)に今でいう魚雷が開発され、この魚雷を載せる水雷艇が安価で多大な戦果を挙げることが着目された。この水雷艇に対抗するために水雷艇よりは大きく、小回りの効く高速な艦が開発された。これが水雷艇駆逐艦(略して駆逐艦)である。
日露戦争ではこの駆逐艦に魚雷を載せることで日本海海戦で勝利を決定づけました。これが、日本海軍の魚雷好きにつながります。
その後も小型のうえに高速で適当な兵装を持つ駆逐艦は、大型化、汎用化され第1次世界大戦の頃は、対潜水艦戦闘や機雷敷設・掃海機能を備えて機雷戦にも対応するようになります。
第2次世界大戦の頃には、防空戦闘にも活躍するようになります。
戦後は、ミサイルとヘリコプターを搭載するようにもなり、攻撃力、索敵能力も大きく向上しました。こうして、空母以外の戦艦や巡洋艦の役割を果たすようになり海戦の主役となっています。
日本帝国海軍の駆逐艦
第2次世界大戦で活躍した駆逐艦は以下の12の型があります。 1/700のキットを出しているメーカーも掲載しました。
峯風型、神風型
峰風型15隻、神風型9隻。吹雪型の前の艦隊型の駆逐艦です。太平洋戦争ではもっぱら船団護衛に従事していました。
ピットロード
睦月型
同型艦は12隻。初めて61cm魚雷を搭載した駆逐艦です。
WLハセガワ、ピットロード、ヤマシタホビー
吹雪型(特型)
より細かくは、以下の3つの型に分けられます。
吹雪型、特I型 10隻、綾波型、特II型 10隻 暁型、特III型 4隻
ワシントン軍縮会議で主力艦(戦艦)の保有比率を制限されたため劣勢を挽回するため、条約外の補助艦を強化しようとします。さらに数でアメリカには対抗できないので個艦性能の向上を目指します。こうしてできたのが吹雪型です。魚雷は前の睦月型と同じですが、主砲は口径が12cmから12.7cmと大きくなり、連装砲により門数が4から6門に増えました。主砲投射弾量で比較すると睦月型が487kg/分に対し、吹雪型は1410kg/分と3倍近くになっています。(WIKIの情報から砲弾重量と発射速度から算出)
この吹雪型は、列強に衝撃を与え、次のロンドン軍縮会議では、駆逐艦にも制限がかけられるほどでした。
WLタミヤ、 ピットロード、ヤマシタホビー
初春型
吹雪型のような大型駆逐艦は、ロンドン軍縮会議で制限をかけられてしまったので小型な船体で強力な武装を積もうとしたのが、この初春型です。しかし、トップヘビーとなり友鶴事件(荒天での転覆、詳細はリンク先のWIKI)、第4艦隊事件(台風による船体損傷 、詳細はリンク先のWIKI)武装を減らすことになりました。そのため6隻のみの建造で終わっています。
WLアオシマ、ピットロード、ヤマシタホビー
白露型
同型艦は10隻。初春型を改良した型になります。艦の大きさに合わせて武装を減らしました。 夕立や時雨といった特に有名な武勲艦もこの白露型です。

WLタミヤ、フジミ、ピットロード
朝潮型
同型艦は10隻。 吹雪型(特型)の大きさに戻して、その後の駆逐艦の基本形になりました。唯一、航続距離だけ要求に未達でした。

朝潮(ハセガワ)で制作しました。下記リンクで完成写真が見られます。
WLハセガワ、ピットロード
陽炎型
同型艦は19隻。 艦隊決戦用の駆逐艦の集大成です。この陽炎型と朝潮型、夕雲型は最新鋭の駆逐艦として、最前線に投入され、最後まで残ったのは、奇跡の駆逐艦と言われた雪風だけでした。
WLアオシマ、フジミ、ピットロード
夕雲型
同型艦は19隻。 速度を向上させるために艦尾を延長しました。これ以外は、陽炎型と同じです。
WLハセガワ、フジミ、ピットロード
秋月型
同型艦は12隻。 防空用の駆逐艦です。これまでの駆逐艦とは違う65口径10センチ高角砲を搭載していました。この高角砲は、非常に優秀な対空砲でした。
WLアオシマ、フジミ、ピットロード
島風
水雷戦用の最高峰の駆逐艦として、速度と魚雷攻撃力を最大にした駆逐艦です。太平洋戦争開戦前の1941年に起工し、1943年に完成しました。しかし、そのときには、航空戦が主となり水雷戦の機会も少なく、生産の手間がかかる本型の量産はなしになりました。そのため同型艦は無しです。
WLタミヤ、ハセガワ、ピットロード
松型
同型艦は32隻。 アメリカの数の前に個艦の性能を向上させても戦局の悪化は止められず資源と建造能力に合わせた大量生産に向いた小型の駆逐艦として建造されました。後期型として橘型もあり、さらなる生産効率化のため外観が少し変わっています。わかりやすい違いは、リノリウム(茶色の甲板の敷物)をなくしたことです。
松型 WLタミヤ、フジミ、ピットロード、ヤマシタホビー
橘型 ピットロード、ヤマシタホビー
駆逐艦の特徴
| 排水量 [トン] | 全長 [m] | 主兵装 | 魚雷 | 最高速度 [ノット] | 航続距離 [カイリ] | |
| 峯風型 | 1215 | 103 | 12cm単装 4門 | 53cm連装 2基 | 369 | 3600 |
| 神風型 | 1300 | 103 | 12cm単装 4門 | 53cm連装 2基 | 37.25 | 3600 |
| 睦月型 | 1315 | 103 | 12cm単装 4門 | 61cm3連装 2基 | 37.25 | 4000 |
| 吹雪型 (特型) | 1680 | 119 | 12.7cm連装砲 3基6門 | 61cm3連装 3基 | 37 | 4500 |
| 初春型 | 1400 | 110 | 12.7センチ砲 連装2基4門 同単装1基1門 | 61cm3連装 3基 | 36.5 | 4000 |
| 白露型 | 1685 | 111 | 12.7センチ砲 連装2基4門 | 61cm4連装 2基 | 34 | 4000 |
| 朝潮型 | 2000 | 118 | 12.7センチ砲 連装3基6門 | 61cm4連装 2基 | 35 | 4000 |
| 陽炎型 (甲型) | 1844 | 119 | 12.7センチ砲 連装3基6門 | 61cm4連装 2基 | 35 | 5000 |
| 夕雲型 (甲型) | 1886 | 119 | 12.7センチ砲 連装3基6門 | 61cm4連装 2基 | 35 | 5000 |
| 島風 (丙型) | 2567 | 130 | 12.7センチ砲 連装3基6門 | 61cm5連装 3基 | 40 | 6000 |
| 秋月型 (乙型) | 2700 | 134 | 65口径10cm連装高角砲 4基8門 | 61cm4連装 1基 | 33 | 8000 |
| 松型 (丁型) | 1260 | 100 | 12.7cm高角砲単装1基 同連装1基 | 61cm4連装 1基 | 28 | 3500 |
今回はここまで。